想いがギュ~ッと詰まった ル・アンジェの「居宅訪問型保育」

想いがギュ~ッと詰まった ル・アンジェの「居宅訪問型保育」

2020.09.15

インタビュー

「きょたくほうもんがたほいく」って知っていますか? 漢字で書くと「居宅訪問型保育」。子育てを「量」と「質」の両面から向上、社会全体で支えることを目指し、内閣府が2015年4月よりスタートした「子ども・子育て支援新制度」の事業のひとつです。

 

具体的には、認可保育園など(保育園・地域型保育事業)に入園することができず、待機児童となったお子様のご自宅に保育者がお伺いして、1対1の保育を行う事業。基本的に保護者の代わりを務めるベビーシッターとは異なり、施設型の認可保育園と同様に、「保育所保育指針」に基づいた保育を行うのが特徴です。“マンツーマンのおうち保育園”というとイメージしやすいでしょうか。ル・アンジェでは2018年4月より江東区と豊島区の2つの区の居宅訪問型保育の事業者として参加、さらに現在は新宿区・杉並区・練馬区も広がり、合計5区で保育を実施しています。

 

今回はそんなル・アンジェの「居宅訪問型保育」事業が開始するまでと、スタートして2年経った“今”をご紹介します。

居宅訪問型保育の保育風景。お外遊びにも積極的に出かけます。

11年間保育に携わってきた会社として、社会問題に本気で取り組もうと思った

ル・アンジェが「居宅訪問型保育」事業を始める前の年、2017年の待機児童数は2万6,081人。前年比2,528人増と年々増加の傾向を辿っていました。さらに、低年齢児(0~2歳)が全体の88.6%を占め、小さい子どもを子育て中の方や、これから出産を考えている方達にとって「保育園に入れるのか」というのは大きな不安要素でした。

 

そんな社会問題に対して、“過去11年間ベビーシッター事業に特化し、シッティングと病児保育の技術向上に努めてきた会社として何かできることはないのか”、そう考えて動き出したのが2017年の夏。東京都内各区の行政に何度も何度も通ってヒアリングをする日々が続きました。

そんな日々が功を奏したのが同年秋。豊島区から待機児童対策として、“ル・アンジェに「居宅訪問型保育」を行ってもらえないか”という声がかかります。それに続くようにして江東区からも依頼が! こうして2018年4月から2つの区で、ル・アンジェ初となる「居宅訪問型保育」の開始が決まったのです。

 

ここからは、「居宅訪問型保育」の保育者のシフト管理からお仕事に対する悩み相談などのサポート、さらに周知活動まで…と、事業全体を管理する主任を務める曽根加奈子のインタビューよりご紹介します。

「居宅訪問型保育」は保護者も保育者もハッピーになる事業

ル・アンジェの居宅訪問型保育事業にスタート時から携わる曽根加奈子。

― まずは、曽根さんが保育の世界に入ろうと思ったのはなぜですか?

 

曽根:私には高校3年生と中学3年生の2人の子どもがいます。子どもが小さい頃は、専業主婦だったのですが、子育てで悩むこともすごく多くて…。そんなときに通っていた子育て支援センターの施設長さんが、まるで自分のお母さんのように親身になって相談にのってくれて、本当に救われたんです。だから子育てが少し落ち着き、将来を考えられるようになってきた段階で、“私もあの人のような、保護者を支援する仕事がしたい!”と強く思うようになってきて。そうして、まずはベビーシッターとしてル・アンジェで働きだすのと同時に、保育士の資格をとるため通信制の短大にも通い始めました。

 

― 2人の子どもの子育てをして、お仕事も始めて、短大にも通うだなんて…すごいですね! 「居宅訪問型保育」の保育者になったのはなぜですか?

 

曽根:シッターという仕事はとてもやりがいのある仕事ですが、季節などによって依頼がたくさんある時と少ない時があることや、今日はこっちのご家庭、明日はまた別のご家庭と、勤務場所や時間も全然違うなど、“仕事が安定しない”という悩みもあるんです。そんなときル・アンジェから「居宅訪問型保育」の保育者の募集があって。その時に聞いた「3つの安定・3つの安心」にすごく心を惹かれたんです。

ル・アンジェの居宅訪問型保育のキックオフミーティングの際に配布した資料。ここからすべてがスタートした。

― 「3つの安定・3つの安心」とはなんですか?

 

曽根:今も「居宅訪問型保育」の保育者を採用するときにはご説明しているのですが、「3つの安定」とは、「勤務地」「勤務時間」「収入」の3つ。「居宅訪問型保育」は、毎回同じ子どものおうち(勤務地)に保育に行くことができます。そして保育園と同様なので、例えば8~17時など長時間働くことができます。そしてそうなることで、自ずと収入も安定してくるんです。さらに「3つの安心」は①チームで情報共有をしながら保育ができるということ、②同じ方針に沿った保育だということ、③会社や行政のバックアップ体制があるということの3つですね。

3つの安定と3つの安心。

― なるほど! 「居宅訪問型保育」は保護者だけでなく、保育者にとっても魅力的な事業だったのですね。

きめ細やかな保育の決め手は、少人数のチーム制保育!

― そうしていよいよ4月からお子様の保育がスタートしたわけですが、始まってみていかがでしたか?

 

曽根:最初は10名のお子様を預かることになりました。初めての事業ということで、事前に様々な研修やミーティングを行ってきましたが、いざスタートしてみると新たな発見や保育者からの相談事なども多々出てきたんです。そこで毎月1回ミーティングを実施し、保育者同士情報交換を行い、保育内容をより充実したものにしていきました。

2020年7月に行われた研修風景。新型コロナウィルス感染対策のためソーシャルディスタンスに配慮した座席配置に。

― 「居宅訪問型保育」の保育者達はすごく団結している印象でしたが、こうしたミーティングを重ね、情報共有を密に行っていたからこそなんですね。ル・アンジェの「居宅訪問型保育」の特長を教えてください。

 

曽根:一番は“少人数のチーム体制”ということだと思います。一人のお子様に対し、担当する保育者は約1.5人。担当保育者がコロコロ変わる…といったことがなく、保育者間の情報共有が徹底されるので、お子様の性格や個性をよく理解した保育者が、きめ細やかに保育を行うことができます。

居宅訪問型保育の保育者たち。同じ想いを持ち、定期的な情報交換やミーティングを重ねているので、とても仲が良いのが特徴。

あとは、「病児保育」サービスが利用できることですね。別途任意でのご登録が必要ですが、通常お子様が急に発熱してしまった…という時は保育はお休みになってしまいます。でも、ル・アンジェの「病児保育」サービスを利用してもらうと、体調不良時でも同じ保育者がお子様をお預かりできるので安心です。

 

― 保育者にはどのような人がいるのですか?

 

曽根:保育士や育児経験者、さらにベビーマッサージやリトミック、チャイルドマインダーなどの資格を持っている方などもいらっしゃいますね。みなさん子どもが大好きな女性ばかりですよ。

保育風景。毎日公園や児童館などにお出かけをし、他の子どもと交流する機会を作っている。

愛情たっぷりの保育で、卒業時には保護者も保育者もみんなで涙!

保育風景。お昼寝中。

― ル・アンジェで「居宅訪問型保育」が始まって2年が経ちましたが、これまで何名のお子様を預かったのですか? 実際に利用された保護者の声もぜひ教えてください。

 

曽根:これまで約70名のお子様を預からせていただきました。ご利用頂いた保護者の声として共通しているのは、最初は不安だったけど、保育園の入園が決まって居宅訪問型保育を卒業するときには、とっても感謝してくださる、ということですね。保育者が毎日お子様の様子を細やかに報告したり、朝到着すると、お子様が「せんせ~!」なんて言いながら嬉しそうに出迎える姿を見られたりするなかで、安心してくださるみたいです。卒業の日はもう保育者も保護者もお互いに涙涙で…! 「保育園にやっぱり行きたくない~!」なんて保護者から声まで上がるくらいです(笑)。

卒業した保護者からいただいたたくさんのアンケート。

― それは保育者にとって、お仕事のやりがいになりますねー!

 

曽根:そうなんです! 保育者に話を聞くと「子どもの成長を毎日間近で見ることができ、保護者の方と共有できることがとても嬉しいです」「集団保育では目が届かない部分も、しっかりと見ることができるのでやりがいがあります」「1対1の保育は、子どもにとっても保育者にとってもお互い穏やかに笑顔になれるのが魅力です」といった声がたくさん上がってきます。このような声を聞くと、保育者のみなさんが責任を持って、そして愛情たっぷりにお子様を保育しているんだなあと嬉しくなりますね。

保護者から曽根に届いた直筆のお手紙。とても嬉しくて今も大切にとってあるそう。

― お話をお聞きしているだけで、お子様と保護者、そして保育者のみんなが笑顔になっている光景が浮かんできて、なんだかこちらまで幸せな気持ちになります。最後に、ル・アンジェの「居宅訪問型保育」の今後のビジョンを教えてください。

2年間の間にたくさんのお子様と保育者との素敵な出会いがあり、それが今後の活力へと繋がっている。

曽根:大きい話になりますが…いつか行政を動かしたいと思っています。悩ましいことに、「居宅訪問型保育」は国の待機児童対策の事業のため、保育園の整備が行き届き、待機児童がいなくなったらなくなってしまう事業。でもこうして「居宅訪問型保育」を利用してくださった方の声を聞いていると、お子様の中には1対1の保育の方が合う子もいるので、将来的に保護者が「保育園」と「居宅訪問型保育」を選べるようになったらいいなと思っているんです。ですので、これからも行政への働きかけも続けていきます。

 

そして、そのためにも、まず「居宅訪問型保育」をもっと子育て中の方に知ってもらいたいです。保育園問題で悩んでいるお母さん達はたくさんいるのに、まだまだ「居宅訪問型保育」を知らない方が多いのが現実です。そのために、フライヤーを子育て中の方が行くようなお店や施設に設置してもらったり、InstagramなどのSNSを利用したりするなど、周知活動に力を入れていきたいと思っています。

 

ル・アンジェの居宅訪問型保育の公式Instagramでは、保育の様子や、保育者がお子様と作ったたくさんの工作などを紹介していて、とても楽しいですよね。今回はありがとうございました!